透明ケースの長い旅と秘密QUEEN’S JETの看板商品「シェルチョコレートケーキ」は、透明のケースに入っています。ケーキなのにケースに入っている!なんだか変な感じでしょうか?確かに、生のケーキっぽくはないかもしれませんね。ただ、僕は商売柄、わりとよくケーキを食べるのですが、ケーキって、、持って歩くのめんどうくさくないですか?バイクにのっているせいか、とにかく移動中にころんでしまう。。そして家に帰ったらひっくり返ってしまい、お店で見た美しさがなくなってしまっている。。残念すぎる。。さらに、ちょっと生っぽいとろっとしたソースとかは使いにくいんですね。(移動でだめになってしまうから。。)もう一言つけくわえると、こんな妄想がありました。。「疲れて家に帰って、甘いものが食べたい時に家にケーキがあったらいいのに。。買いに行くのはめんどうくさい。。」そんなことを、ケーキ屋修行時代からずっと思っていたんです。
さらなる妄想さらに、チョコレートは、型からはずした後が一番美しいんです。写真は、シェルチョコレートケーキですが、これも型から外した直後。チョコレートの部分が、フォークの輝きに負けないくらいツヤッと光をはなってませんか?これ、実際みたら、すごくテンションがあがるんです!美しさ
と、ケーキのおいしさが融合されたら、これはもう最高なのではないかと!そうして、長い長い試作を重ねて、シェルチョコレートケーキがデビューとなりますが、この旅は本当に長旅になりました。。
思うような型がなくて。。当たり前といえば、当たり前なんですが、いままでにこんなケーキなかったわけで、、ちょうどぴったりの型なんてものは世の中にあるはずもありません。。そりゃそうだ。そんなこんなで、3Dの勉強をスタートしました。はっきりいって猛勉強です。学生時代もこんなに勉強していません。。そして、自分の思い描く形、おいしさを感じてもらえる大きさ、、など何度も試作を繰り返しました。上の写真は、今の形になる前に考えていたシェルチョコレートケーキの形。当初はドーナツ型もいいかなと思っていました。
透明ケースの完成!試行錯誤の結果、そして、なんども試作品として出来上がった透明ケースにチョコレートケーキを試作してみた結果、この形に決めました。流動系のシュッとしたデザイン。いかがでしょうか?
おいしさ密閉透明ケースにケーキをくみ、密閉します。裏面を熱圧着でシールをつけていきます。ちょうどお店のお客様スペースからは見づらい位置に機械が置いてありますが、「ガッチャン!」「ガッチャン!」とわりと大きな音がするので、もしかしたら耳のいいお客様には、「なんだこの音?」と思われているかもしれませんね。こうして密閉することで、いろいろな利点を感じました。昔からの願いである、「賞味期限が長く取れたら、家に帰ったら冷蔵庫にケーキがある幸せを感じられるのでは?」とか「持ち運びでこけたりしない!」というのはもちろんのこと、「フレッシュなソースを使えたり」「冷蔵庫に入れても他の匂いと混じらなかったり」「ケーキのしっとり感がそのまま」だったり。わりと良いこと尽くめでした!ただ、作るのがわりと大変です。(笑)こればっかりは、しかたないか。。
長い旅の終わりです。こうして出来上がった「透明ケース」。お客様のところで、ケーキをお皿にポコっと出していただき、その長い旅路の終わりです。ちょっと変わった「シェルチョコレートケーキ」を支えてくれる透明ケース。もし、ご賞味いただく時があれば、ちょっとだけ、この透明ケースを愛でてあげてください〜。